ブルーカーボンを増やし、大気中のCO2を減少させるためには、海洋の藻場(海藻や海草が茂っている場所)やマングローブ林の再生が必要になります。それぞれ、CO2を吸収・貯蓄するだけでなく、藻場には、水質を浄化し、海洋生物の産卵・保育場になる役割があり、マングローブ林には、海からの風や波から陸地を守り、陸からの土砂や汚水の海への流出を防ぐ役割があります。 つまり、ブルーカーボンを増やす取り組みは、海の豊かさを再生し、カーボンニュートラルにもつながっていくことになります。※ブルーカーボンを吸収・貯蓄する海洋生態系(海草藻場、海藻藻場、湿地・干潟、マングローブ林)は「ブルーカーボン生態系」と呼ばれています。 森林伐採や沿岸開発により、過去50年で、世界中のマングローブ林の約50%が失われ、現在も毎年約2%の割合で失われています。また、ブルーカーボン生態系は、全海洋面積の0・2%ほどしかない沿岸域に生息していますが、近年の海洋プラスチック汚染や地球温暖化の水温上昇により、沿岸部の環境が侵されてしまっていることが課題となっています。ブルーカーボンを増やすのは、一石二鳥?近年のブルーカーボンの課題2050年のカーボンニュートラル実現に向け、私たち一人ひとりが身近にできる行動や心掛けにはどんなことがあるのかをテーマごとにご紹介します。【参考文献】 国土交通省 「ブルーカーボンとは」 海藻や海草などの海洋生態系に取り込まれた炭素のことをブルーカーボンと言います。2009年10月に国連環境計画(UNEP)の報告書で、命名されました。陸の植物と同じように、海洋生態系(マングローブ林や海藻・海草)も、大気中のCO2を吸収・貯蓄することができ、カーボンニュートラルに重要な役割を果たすとして注目されています。光合成によって貯蓄された炭素(ブルーカーボン)は、ブルーカーボン生態系が枯死してもそのまま海底に貯蓄されます。カーボンニュートラルにつながる海の豊かさを取り戻す陸の樹木と同様に光合成のためにCO2を吸収します。海の生態系がCO2を吸収、炭素(ブルーカーボン)を貯蓄藻場やマングローブを再生貯 蓄吸 収
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