HOLON200
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 皆さんは「PMS」という言葉をご存じでしょうか。これは「月経前症候群」と呼ばれるもので、月経(生理)が始まる3日から7日ほど前から、気分の落ち込みやイライラ・腹痛・頭痛などの症状が現れます。さらに、生理期間中の不快症状としての「月経困難症」もあり、PMSと同様の症状に加え、吐き気や食欲不振、抑うつなどを催す場合もあります。「PMS」や「月経困難症」には個人差があり、ほとんど症状を感じない女性もいれば、腰をハンマーで殴られるような鈍痛が続く女性もいます。人によっては仕事に集中できる状態ではなく、休まざるを得ない方もいらっしゃいます。 私たちの調べによると「PMS」が原因で「仕事を休んだことがある」という女性が約3割いること、また「月経困難症」で女性の「4人に1人」が悩んでおり、多くの女性が生理による不調に苦しんでいるようです。 つまり生理による不調で苦しんでいるかもしれない女性には、画一的ではなく、その人の個性や性格に寄り添い、その人に合わせた対応が必要になります。生理に関する正しい知識を得て、過度に踏み込まず、体調が悪そうなら「無理しないでね」と言葉をかけるのが良いと思います。 女性の生理について深く考えていくと、性別に関係なく「他者への思いやり」が大切だということに気づかされます。生理のない男性であっても、調子が悪いときもあると思います。「調子が悪いとき、〇〇さんにはどんな風に声をかければいいのだろう?」。そのような気持ちに男女の違いはありません。相手のことを観察し、性格を把握し、受け手のことを考えた対応が職場においてのより良い共生につながると思います。 「PMS」や「月経困難症」に悩む女性のために、「生理休暇」を導入する企業はたくさんありますが、利用しにくい職場も多いのではないでしょうか。一人ひとりが他者を思いやる意識を持ち、制度が利用しやすくなれば、離職率の低下や多様性を受け入れる環境構築にもつながると思います。まずは、周りに生理で苦しむ女性がいるかもしれないと、意識することから始めてみてほしいと思います。 「PMS」や「月経困難症」を抱えた女性に対して、周囲がどのような対応をすればいいのか。これはとても難しい問題で「これが正解!」というものはありません。というのも、PMSだけでもその症状は約200種類もあると言われるほか、同じ人でも先月は軽かったけど、今月は重いというような差もあります。さらに周囲の人たちから自分が生理前(もしくは生理中)であることを知られても構わないと思う方もいれば、絶対に知られたくない方もいます。男性の多くは小学生のころに受けた性教育から、生理の知識がアップデートされていません。近年、生理用品はナプキンやタンポンのほかに、月経カップや血液を吸収するショーツなども登場しています。生理用品は年々進化しているため、変化のあった事例もあります。生理に関する情報を得て、より良い職場をつくっていただきたいですね。「朝礼でメンバーの体調を聞くようにした(管理職の男性)」「生理休暇を導入した(人事担当者)」など、働くわたし働く女性の悩みのひとつに「生理」があります。今回は「ソフィみんなの生理研修」を主宰するユニ・チャーム株式会社の方に話を伺いました。ぜひ職場の女性活躍の参考にしてください。男性には想像しづらい、生理の前や生理中の辛さ受け手のことを考えた対応が、より良い共生につながるPMSの症状は約200種類、個人差のある生理に理解を脳内メーカーメーカーの女子高校とコラボして、女子学生が主に男子中・高校生に生理研修をするイベントを行いました。女子学生は男子学生に冷やかされるのではと心配していましたが、男子学生は真剣なまなざしで話に耳を傾けていました。感想のなかには「妹が苦しんでいたら、温かい飲み物を差し入れたい」という優しいコメントもありました。自分の悩みや働き方に合わせたアイテムを選択していきましょう。ユニ・チャーム株式会社広報部 藤巻 尚子さん生理用品や紙おむつなど、衛生用品の販売メーカー、ユニ・チャーム株式会社にて広報を担当。企業広報や商品広報に携わり、2019年から推進しているソフィ#NoBagForMeの広報活動も行っています。「ソフィみんなの生理研修(ユニ・チャーム主催)」で生理について学び、女性の生理を通して、女性の生理を通して、女性の生理を通して、女性の生理を通して、他者を思いやる気持ちを育む他者を思いやる気持ちを育む他者を思いやる気持ちを育む他者を思いやる気持ちを育む  

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