今回は、労働政策研究・研修機構の藤村理事長にお話を聞いてみました。藤村先生は、法政大学経営学部で長らく教鞭をとられ、多くの企業を研究され第2回そもそもいま起きている変化って、何が変わっているの? 100年続てきました。く老舗企業の研究とは? CNDの小川委員長をはじめ、CND本部三役から次々と出る質問に対する、藤村先生の答えは?100年以上続く企業は、変化することへの自信がある5年は大きな変化がありましたし、これから先、さらに大きな変化が訪れてもおかしくありません。 変化に柔軟に対応していくために、私たちも未来について勉強する必要があると感じています。 また、現在は自動車産業だけではなく、世の中全体が変化しています。自動車産業内の情報収集だけでは足りないのではないかという危機感もあり、「自動車の外のお話」も併せて藤村先生にお伺いしたいと思っています。ショック、リーマンショックなどです。このような大きな変化のなかでも長く生き残る企業を研究する「老舗の研究」という分野があります。その研究では、「100年以上続く企業には、変化することへの自信がある」と指摘しています。老舗企業の経営者はインタビューのなかで、「100年以上続けさせようとは思っていない。『本業』を大事にするため変化させてきた。その結果、長く続いてきた」と語ります。「本業」が明確になっていることが「変化に対する自信」を生んでいるということが言えます。「本業」ですか。過去を振り返っいま自動車業界は「100年にす。トヨタ系販社も、ここ4〜まず変化はこれまでも大きなも災、第2次世界大戦、オイルでは「クルマを売る」活動が中心だった頃から、「長く安心・安全にクルマにお乗りいただく」ためにバリューチェーンに力を入れるなど、営業活動の力点が変わってきたと感じています。「変化」といったときに、具体的にどのような変化があるのでしょうか。 1つ目は「お客さまの変化」です。例えば、ネット検索が容易になった結果、お客さまが店頭の営業スタッフに求めるものが変わってくるということが起こり得ます。それはつまり、これまでの「販売のプロ」の知識が活用できなくなる、ということです。自分で情報収集ができるお客さまが販売スタッフに求めるものは、「本当に自分に合う商品は何なのか」という助言なのかもしれません。 2つ目は「売る側の変化」です。働き手ですね。かつては、「販売のプロになるには一流のホテルやレストランを知っていなければいけない。そのために自腹で休日に一流のお店に行くのは当たり前」と言われて育った時代がありました。いま、同じことを上司が言えば「会社はお金を出してくれるのですか?」となります。働く人の価値観、世間の倫理観の変化です。 3つ目は「製品の変化」です。変化のスピードについては分かりませんが、クルマが電気自動車に変わっていく流れがあります。製品・サービスの構成が変わっていくなかでも、お客さまに合ったものを提案できることが大切です。 老舗が生き残ることができたのは、これらの変化のなかで「お客さまに選ばれ続けた」ためと言えます。老舗は、会社が苦境に陥ったときに、お客さまが「この会社がなくなっては困る」と手を差し伸べてくれ企業活動における「変化」とします。前列左からCND 小川委員長、労働政策研究・研修機構 藤村理事長、CND 大石委員長代行自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われ、CNDのなかでも、大きな変化を迎えたという仲間が多くいます。この先を考えると、クルマの供給制限は続きそうだし、人手不足は拡大しそうだし、変化はまだまだ続きそうな…。でもそんなときこそ、CNDの語源「新しい飛躍への挑戦」の精神に立ち戻ろう!という心意気から生まれた新企画です。変化に対して逃げることなく笑顔で柔軟に対応できるよう、自分たちで未来を探しにいきます!(隔号で掲載)小川てみると、私たちトヨタ系販社藤村のがたくさんありました。大震小川一度の大変革期」を迎えていま藤村ては、3つの視点があると思い
元のページ ../index.html#6