定年を延長した経緯を教えてください。一気に65歳までの定年延長も実施したのですね。会社の判断が変わったのには、どのような背景があるのでしょうか?*1986年に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が改正されたことにより、60歳定年が努力義務として定められ、1994年の改正で60歳未満の定年制が禁止となりました。法改正以前は55歳定年の企業が一般的でした。 以前は、55歳到達時に「再査定」を受けるという制度がありました。「再査定」と名残りのような制度でした。組合としては「年齢だけを理由に処遇を下げるのはおかしい」ということで、97秋の取り組みで「55歳での再査定制度の廃止」を要求しましたが実現せず、その後も毎年のように要求し続けていました。そして、ついに18秋の取り組みで、会社から「2019年4月に新賃金制度導入と合わせて、定年を65歳に延長するとともに55歳再査定の廃止を行っていく」という回答をいただきました。実に20年以上かかりました。 それ以前の賃金制度は役割ごとの「評価と処遇の関係」があいまいだったために、第5回HOLON Vol.204 6自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われ、CNDのなかでも企業統合や事業再編といった大きな変化を迎えた仲間も多くいます。この先を考えると、クルマの供給制限は続きそうだし、人手不足は拡大しそうだし、変化はまだまだ続きそうな…。でもそんなときこそ、CNDの語源「新しい飛躍への挑戦」の精神に立ち戻ろう!という心意気から生まれた企画です。2021年4月に高年齢者雇用安定法が改正され、「65歳までの雇用確保の義務化」と「70歳までの雇用確保の努力義務化」が法律により定められました。2025年3月末に「65歳までの雇用確保の義務化」の経過措置が終了するということで、24秋の取り組みで「中高齢者の働き方」や「再雇用者の組合員化」を取り上げる加盟組合もあります。65歳までの雇用確保の義務化への企業の対応としては、①定年制の廃止②65歳までの定年引き上げ③65歳までの継続雇用制度の導入(再雇用制度など)の3つの選択肢があります。厚生労働省の集計結果によると、3つの選択肢のうち「②65歳までの定年引き上げ(いわゆる定年延長)」を行う企業が近年増えており(2023年:26.9%)、CND加盟企業においても同様の傾向があります(現在18組合、全体の10%)。2023年2022年2021年2020年2019年2018年トヨタカローラ名古屋労働組合出典:厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」るいとうい言ういこ方とではすがほと、んこどのな査く定、で55評*価歳が定上年がの【65歳雇用確保の義務化への企業の対応】■①定年制の廃止■②65歳までの定年引き上げ■③65歳までの継続雇用制度の導入(再雇用制度など)69.270.671.976.477.979.326.925.524.120.919.418.13.93.93.93.94.04.02.72.72.72.72.62.655歳の再査定の廃止だけではなく、今号では、加盟組合の秋の取り組み応援企画として、定年延長を行ったCND加盟組合にインタビューを行いました。組合員の皆さんも、自組合の秋の取り組みのバックアップをお願いするとともに、ご自身の未来や60歳以降の働き方を考える一助としていただければ幸いです。20年越しの組合要求が成就役割を定義し、役割に応じた処遇に657060
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