三和交通がSNS運用を始めた目的を教えてください。多くのメディアでも話題となった「踊るタクシーおじさん」の誕生までのお話を教えてください。普段は、どのように動画(TikTok)を企画・制作していますか?ていただくことができるので、業種・職種などにあまり制限は設けず、皆さんに楽しんでもらえるコラボは積極的に行っています。長に直談判。了承をもらったことで、踊るタクシーおじさんが誕生しました。私と部長、もう一人の広報担当者の3人で企画し撮影しています。TikTokでは、選曲が鍵を握ります。流行の曲でも1週間ほど経つと古くなってしまうため、できるだけ流行り始めの曲を普段からTikTokを見て研究しています。私たちよりも部長のほうがTikTokに詳しいくらいで、部長の選曲も多いです。やらされているのではなく、先頭に立って楽しむ姿に、私たちも勇気づけられますし、新しいアイデアも出やすい和気あいあいとした雰囲気で企画や撮影ができています。その全力で楽しむ姿が、SNSに目の肥えた若者にも刺さったのではと考えています。最近はコラボレーションのお誘いをいただくことも増え、たとえばANAさんのような企業や活躍されているTikTokerの方たちとダンスのコラボをしています。コラボをすると双方のフォロワーに見「おじさんばかり」「暗くて堅い」といったタクシー会社のイメージ払拭と「三和交通」の認知度向上を目的に、2013年にニコニコ生放送からSNS運用を始めました。当時の課題として、求職者への企業説明会だけでは他社との差別化が難しい、自社の魅力を伝えきれない、タクシーに乗る機会があってもタクシー会社まで覚えてくれる方は多くないというものがありました。そこでSNSを通して「三和交通」という名前を広め、当社の魅力であるアットホームさ、風通しの良さを発信していこうと考えました。2013年は、まだアカウントを持っている企業は少なかったのですが、社長が新しい取り組みに前向きだったこともあり、「とにかくできることからやろう!」という気持ちでチャレンジすることになりました。今では8種類のSNSを更新しています。〝踊るタクシーおじさん〟こと、当社役員の〝みぞ部長〟は、もともと採用の責任者としてYouTubeの出演・編集を行っていました。2019年のある日、TikTokの存在を知った部長は、「おもしろそう!」「15秒の短い動画なら私にもできそう」と個人アカウントを作り、会社で踊ってみた動画を投稿したところ、SNS上で大きな話題となりました。「こんな会社で働きたい!」といった若者からのコメントに溢れ、これに手応えを感じた部長は、「企業アカウントで踊ってみた動画を投稿すれば、若者に三和交通を知ってもらえるチャンスが得られる」と社第6回HOLON Vol.205 6三和交通TikTokアカウント▶自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われ、CNDのなかでも企業統合や事業再編といった大きな変化を迎えた仲間も多くいます。この先を考えると、クルマの供給制限は続きそうだし、人手不足は拡大しそうだし、変化はまだまだ続きそうな…。でもそんなときこそ、CNDの語源「新しい飛躍への挑戦」の精神に立ち戻ろう!という心意気から生まれた企画です。撮影の様子神奈川・東京・埼玉を中心にハイヤー・タクシー事業を行う企業です。2019年にTikTokで公開したダンス動画が「踊るタクシーおじさん」として320万回再生を記録しました。近年増加している企業のSNS運用。どの業種でも激化する人材確保において、若い世代へのアプローチに、SNSは今後さらに大きく影響を及ぼすことが考えられます。今回は「採用活動におけるSNS運用」をテーマに、TikTokで話題となったタクシー会社、三和交通株式会社・広報担当の小澤さんにお話を伺いました。
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